運転免許を自主返納すると…

運転免許自主返納で事故増加に歯止め

都道府県の自治によって違いはあるものの、ここ数年のあいだに高齢者の自動車事故が際立って増えています。

たとえば大阪府警察署交通課などのまとめでは、交通事故の全対数は減少傾向にあるのに、65歳以上の高齢ドライバーによる交通事故は、平成17年の統計から比較して10年間で約1.3倍にもなっているといいます。

そこで大阪府では、高齢者ドライバーによる交通事故増加を抑制するため、「高齢者運転免許自主返納サポート制度」をスタートさせています。

この制度は、運転に自信がなくなった高齢者や、運転する機会が少なくなったシニアに対して、運転免許証を自主返納しやすい環境づくりを促進するもので、自主返納をした高齢ドライバーには、さまざまな特典が付与されるようになっています。

運転免許返納制度と具体的な特典事例

高齢者運転免許自主返納サポート制度の一例ですが、たとえば高齢者が、保有する運転免許証の自主返納手続きに応じ「運転経歴証明書」の交付を受けた場合、この制度に協賛するサポート企業の運営店舗や商業施設で買い物をしたときには、割引価格で商品を購入できたり、ポイント還元の割増を受けたり、あるいは商品の購入ばかりではなく各種サービスの利用においても“通常+プラスアルファのおトクな特典”が受けられるというものです。

自主返納した高齢者が、返納と同時に付与された運転経歴証明書を提示することで、いつでもこのような特典を受けられるような仕組みになっています。またコミュニティバスの普及や運賃割引率の拡大、運転免許自主返納支援事業の拡充など、関係する仕組みや環境づくりの促進にも力を入れています。いまこうした取り組みは全国の各自治体にも広がりつつあります。

申請による取消と運転免許返納の手続

誰でも加齢によって身体機能や咄嗟の判断力は低下していきますが、この制度には、「交通事故件数が増加している高齢者には、とくにその機能の低下を自覚し、自らの安全と道路交通に与える影響を考慮して欲しい」との自治体側の思いがあります。

返納と言っても、免許の全部を返納する申請手続、免許範囲の一部の取消しを行う申請手続き、またはこれらの取消しとともに下位免許への交付申請を希望するシニアのための手続きなど各種があります。

たとえば、普通免許と普通自動二輪免許(中型免許)を所有するシニアが、普通自動二輪免許(中型免許)のみの返納・取消しを申請する場合、「一部取消」という申請枠になります。普通免許のみを保有する高齢者が、取消しと同時に原付免許を受ける場合「下位免許の取得」という申請枠になります。

運転免許の全部を取消した返納者は、取消しを申請した日から5年以内であれば、いつでも運転経歴証明書の交付申請を行えます。申請場所は各都道府県にある運転免許センター(運転免許試験場)や警察署などで、都道府県によって異なります。運転免許証を返納することで、運転経歴証明書の交付は受けられますが、免許停止など失効した運転免許証は対象外となります。